私はこの言葉が大好きです。
この「読む」の意味は、きっと「先を読む」とか「心を読む」などに使われる「読む」と一緒だろうと考えると、移ろいゆく心のような優しさや激しさが同居したもののように、風を感じられるから。人を見るときと同じような気持ちで風を感じていると、また違った景色が見えてくるものです。
では、現実にどのようにして風を読むのか。 これは本当に難しい問題。 今まで完璧に読みきれたことなど無いと思います。 それでも少しでも間違えにくいように色々なところに視点を持っていきます。
まずは高い所で風になびくもの、もしくは何にも遮断されない場所を探しま す。 風になびくものとは、例えばクラブハウスの上にある旗や、鳥、雲、といったもの。 鳥の場合は、風に乗っているときのくちばし方向が風の吹いてくる方向です。 (鳥や雲は高すぎる場所だと、あまり参考になりません。)
それをまずその時の基本の風とします。 あとはコースマップを見ながら 読んでいくのですが、そこでよく失敗する原因の1つは地形。 打ち上げや打ち下ろしの場合、吹き上げる 風がどこまで影響してくるのか。 木々の高さや密度によって、風が入ってくるのかこないのか。 その時その時で基本の風と違う風を把握できていないと、その内基本の風はどっち?と言うことになります。
もうひとつの原因は時間。 風は1日中一定方向ということはほぼありません。 いつどんな風に変わっていくのかを把握しておきたいもの。 ある程度の予想として、朝の天気予報は結構役立ちます。 コース全体の木々を見渡すことも忘れないようにしたいですね。 葉の揺れ方を見て、ティグラウンドからグリーンまでの風の方向と強さの違いまでわかってしまうことがありますから。
選手の持ち球によっても風の読みを変えたりしますが、実はこれをうまくや ることで、プレイオフやマッチプレー等で相手のキャディを混乱させることもできます。 怖いですね。
ちなみに、選手への風の伝え方は様々ですが、左からの風であれば「9時から」、正面からのアゲンストであれば「12時から」という伝え方が一般的でしょうか。 私の場合は未だにデジタル時計を使うほど、時計に疎いので「バンカー方向から」や目標物が無い場合は手で「こっち」と示します。その方がイメージを出しやすいのではないかと良い様に解釈しています。
風に名前をつけた選手がいましたが、あれは名案でした。 風は人の心に 似て、理解しきることなど無理。少しでも仲良くするために、「読む」ことを試してみましょう。
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