ルールブックを最初から最後まできっちりと読んだことがありますか? そしてまた、ラウンド中はキャディバッグに入れるなどして常に携帯していますか? 私はキャディという仕事柄とても大事なことなので、隅々まで読みました。 しかし、理解が難しい文章や表現などがあってうやむやのままになってしまっているところが少なからずあります。大事なこととわかってはいても、改定されたところ以外を定期的に読むといったことはしていません。本当はそれではダメなのでしょうけれど…。
プロの試合の途中で処置の仕方などがはっきりとせずプレーが止まってしまった場合には、その場で競技委員さんに裁定をお願いすることができます。 これをルーリングと呼びます。競技委員さんは試合毎に必ず数名いて、状況に合わせて対応してくれます。間違った方法で処置をしてそのままラウンドを継続してしまうと、ラウンド後に失格という恐れもありますので、わからない時には競技委員さんを呼ぶということがツアーでは一般的です。 一つの組に一人ついているスコア係のボランティアさんやスタッフの方が無線を持っていることが多いので、その無線を利用して呼ぶことになります。ルーリングが多発するホールには、あらかじめ競技委員さんが待機してくれていることもあります。 呼ばれたらすぐに現場に到着できるように配備されているらしく、ラウンド中にあちらこちらで競技委員さんの姿を目にすることができます。
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競技委員さんの出動風景 |
競技委員さんは、必ずしも呼ばれたときだけ出てくるというわけではありません。 最もキャディを恐れさせる登場の仕方は、時計を見ながら近寄ってくること。 例えば前の組と離れている、予定の通過時間よりも遅いといった場合に競技委員さんの方から近寄ってきて急ぐようにと促してきます。これ以上遅れるとペナルティもありうるという警告のようなものです。 そうなると、キャディはひたすら走らなければなりません。選手ももちろん走ります。 たまにティーグラウンドから選手が走っていく姿を見ることができますが、ほとんどの場合そういった指示が出ているときです。 その場合、競技委員さんが監視、もしくは時間の計測でついて来るというパターンが多いのですが、カートに乗って時計を見ながらついてくる競技委員さんはとても恐ろしい存在、もしくは恨めしい存在に見えてしまったりするものです。
競技委員さんの存在というのは、本当に大事です。 簡単に開くことのできるルールブックがすぐそこにいるという安心感もそうですが、例えば天候が変わりやすい状況のときや、中断が確定していてタイミング悪くティショットに入ってしまいそうな組などにはあらかじめ声をかけてくれるなど、状況の変化に対応して選手を導いてくれることがあります。 グリーンやフェアウェイの状況を確認することも競技委員さんお仕事のようです。
ツアーにおける競技委員さんは、全体の状況に合わせて選手達が気持ちよくラウンドできる状況を陰ながら支えてくれている存在であり、本当に頼れる存在なのです。
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