2004年のマスターズGCレディース、宮里プロのキャディをしていた時の最終日最終ホールでの出来事。同スコアでやってきた宮里プロと古閑プロ。それぞれのバーディパットは、宮里プロがピン横エッジ、古閑プロがピン奥から。どちらも同じような距離で、見た目はほぼ同じでした。私がピンから見比べて、なんとなく遠いかなぁぐらいの考えで、宮里プロが先と判断しました。
これは、先輩キャディさんからすると当然の事だそうです。
気持ちも楽だしプレッシャーもかけられるという意味で、先に打つほうが有利。
どちらが遠いか判断つきにくい場合は、自分の選手を先に打たせるようにする事がとても大事とのこと。自分の選手のほうが遠いと先に宣言してしまえば、他の人もそうかもしれないと思うものです。
それがわかっている選手、キャディさんの場合は、もちろんお互い譲れないところなので、ピンでお互いの距離を測るしかありません。
相手プレーヤーのキャディをちょっとだけ混乱させる方法もあります。
相手のキャディが風の方向を選手に伝えたときに、「えっ?」という表情でそのキャディを見ること。
風は常に一定方向で吹くものではないし、コースによっては基本の風を見失ってしまうと、全く見つけられなくなってしまう場合もあります。
前に、自分の思っている風と全く違う風を選手に伝えたキャディ君がいて、思わず振り返ってそのキャディ君を見てしまったことがあります。その後、そのキャディ君は自分の風の読みに自信を失い、その選手までもがキャディ君の読みを疑うようになってしまいました。
その時はお互い競っていたわけでもなかったし、本当に申し訳なかったなぁと思っています。もちろんこれも、駆け引きとして使える方法です。