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プロキャディ 小田美奈コラム
毎週月曜日更新

第72回 春と眠りと夢

2008.3.17

「春眠、暁を覚えず」というように、寝心地の良い時期がやってまいりました。
朝なかなか起き上がりたくなくなるだけでなく、昼寝でさえ気持ちの良い時期ですね。
しかし、トーナメント中となると寝坊はもちろん厳禁。寝坊してスタート時間に遅れた場合、選手はペナルティもしくは失格、キャディは交代ですし、その後の信用にも関わりかねない大きな問題になります。
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暖かい日が増えました。
寝坊しないために、目覚ましはもちろん必需品ですが、まず「寝る時間を確保する」ということが大事になってきます。そのために、ほとんどのキャディがしていることが時間の逆算です。
次の日のスタート時間から「起きる時間」を決めます。そこから逆算して今度は「寝る時間」を決めて夕食の時間を調整します。
例えば私の場合、スタート時間が8時30分だとすると…
6時にコース着 → ホテルからコースまでの移動にかかる時間が大体30分なのでホテル出発が5時30分 → 朝の準備が30分必要なので5時起床 → 9時間の睡眠時間が必要だったので、8時には就寝となります。
そのためには夕食の時間を削らなければならず、コンビニエンスストアのお弁当で済ましてしまうこともあります。前日からスタート時間を基本に行動するので、寝坊で遅刻してくるキャディはほとんどいません。
その代わり、寝坊する夢、忘れ物をする夢、キャディ中にミスする夢、そんな夢を多くのキャディが経験しています。おそらく、遅刻やミス等に対する恐怖感、緊張感がそんな夢を見せるのだと思います。
私も試合中ほど頻繁に見ました。そんな夢で目が覚めてしまった時は、寝なおすことがどうしても難しくなります。遅刻して焦ってコースに着いて、18ホール回ったところで目が覚めると、その日は36ホール回るような気分になって落ち込むなんてことも。
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こんな日は、誰しも眠くなってしまいがち。
さて、干し終えた布団のぬくもりの中でウトウトするのも気持ちが良いものですが、芝生の上でプレーする選手達を応援するのも睡魔を呼ぶようです。
試合中、グリーン脇で鼾をかいて寝ているギャラリーの方を時折見ることができます。
鼾は思った以上によく響くので要注意です。
トーナメント中の私のお薦めお昼寝スポットは、練習場です。気持ちの良いインパクトの音が、心地良い眠りへと誘ってくれます。困ったことにキャディももちろん例外ではなく、ラウンド終了後の練習で選手の後ろに立ったままキャディバッグに寄りかかって寝そうになってしまったことがあります。
仕事中の睡魔は天敵で、この時期の暖かな日和は危険です。
仕事を全部終えて緊張感の無い中でゆっくり眠りたい、そんな風に思うにはまだツアーは始まったばかりです。
 
次回更新予定:2008年3月24日

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