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プロキャディ 小田美奈コラム
毎週月曜日更新

第89回 選手を見下ろすもの

2008.7.14

何の写真だかわかりますか?
木の上に見える、空に浮いているかのような黒い陰。
これは、テレビカメラが載せられて高い位置からの映像が撮影されているものです。
テレビを見ている人にとってはあまりイメージが湧かないものだと思いますが、大会中はコースのあちらこちらにテレビカメラが設置されます。特に後半のハーフ、最終ホールに近づくにつれてその数は増していきます。
一番良くある高い場所のカメラは、大会が始まる前にコース内に設置されたテレビ塔に置かれたものです。ティーショットの球を追いやすい位置に配置されていることが多いように見受けられます。
テレビ塔に関するルールもちゃんと設けられていて、大会の前にインフォメーションボード(第86回参照)に告知されることもあります。
数年前に、兼本選手のキャディをしていた時に、ティーショットがこのテレビ塔に乗ってしまったことがありました。
その時にそのテレビ塔の2段目ぐらいまで登りましたが、作りは簡単なパイプを組み合わせて、ただ階段を付けたようなものだったので、本当に怖かったです。
それをもっともっと上まで登って映像を撮るというのだから、スゴイですね。

さて、テレビ塔以上に高いカメラもあります。
最初の写真のようなクレーン車に積まれたものもそうですが、無人で、風船に取り付けられたものです。
リモコンでカメラの向きを変えることができるようになっているそうです。高い位置からコース全体の映像を撮ることができるみたいです。実はこの風船のカメラはキャディにとってとてもありがたいもの。なぜなら、高い位置の風を教えてくれるから。
カメラの向きは変えることができても、風に流された風船の位置まで変えることはできないはず!そこで、風船を見れば上空の風を知ることができるというわけです。

真ん中の木の横にある緑色の建物がテレビ塔です。
さて、必ずしも高い位置で撮るカメラばかりではありません。
大会が始まる前にあらかじめ設置されているカメラの他にも、カメラマンさんが担いで状況に合わせて動くカメラもあります。
優勝争いをしている選手を間近で映している映像を見たことがあると思いますが、これはほとんどの場合、選手とキャディの横を横向きや後ろ向きになってカメラマンさんがカメラを背負って撮っているものです。その脇にはコードを持って走る人や、三脚を持っている人を引き連れています。
そのカメラマンさんの姿は、キャディでも可愛そうになるほど大変そう!それが上り坂だったりすると汗だくになって息を切らしながら選手を追いかけます。
時には、少しは楽になるのでしょうか、肩からかけたり腰から巻いたりして自分の体に固定する特殊な形をしたカメラというのも見たことがあります。
この移動するカメラについたコードは、実はとてもキャディ泣かせ。

なぜなら、選手キャディが歩いているときはカメラも移動し、そのコードは恐ろしく長い蛇のようにニョロニョロと引っ張られて動くので、それに引っかかって転ぶから。
恥かしいわ、痛いわ…、私だけかもしれませんけどね。

他にも色々と工夫されたカメラがあります。変わったカメラを見つけると選手も興味津々に近づいていったり、覗いてみたりしています。
そういったカメラに見つめられてゴルフできる順位にいることを目標に、みんな頑張っているのです。
 
次回更新予定:2008年7月21日

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