たくさんのギャラリーに囲まれて、緊張感溢れる迫力ある戦いが毎週のように繰り広げられている中で、それとは全く正反対に、とても静かで、けれども熱い戦いが展開されている時があります。 例えば、徐々に盛り上がってきているシード権争いや今年既に始まっているクオリファイングトーナメント、そしてプロテストなどです。今回は幾つかあるそんな戦いの中でも、一つの大会に出るために繰り広げられる戦い、「マンデートーナメント」に焦点を当ててみたいと思います。
マンデートーナメントとは、トーナメント本戦の出場権をかけて行われる試合です。 試合に出たくても出ることが出来ないプロゴルファーにチャンスをということで、フジサンケイクラシックが始めた予選の予選という形で、大会によってその出場権を与えられる人数も、マンデーの出場人数も違いますが、ほぼその大会の月曜日に行われます。
キャディをつけることも可能ですが、多くの選手はハウスキャディさんで、しかも4人のプロに一人のキャディさんという形であることが多いです。 もちろん、距離を測るのも風を読むのも選手自身。
選手がお互いにナイスなどの声をかけることや、会話しながら和気藹々とラウンドしている姿は当然見ることが出来ますが、雰囲気はトーナメントとも練習ラウンドとも一線を画します。ベテランの選手から若手の選手まで、大ギャラリーを沸かせたことのある選手さえも出場していることがあり、トーナメントに出場するということの意味、重さのようなものを感じざるをえません。
練習やコースチェックをするために集まってきた本戦出場の選手やキャディは、マンデーが行われているのが分かれば、迷惑をかけないように心掛けることが暗黙の了解となっています。となればもちろんのこと、マンデートーナメントが行われている時はコースチェックも練習ラウンドも出来ません。 練習場でショットやパットの練習をするなどしてある程度終わるのを待って、マンデートーナメントの最終組にだいぶ遅れた形で皆コースに出て行きます。
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スコアが貼られて、自分の順位がわかるボードの前に集まってくる マンデートーナメント出場選手と関係者 |
マンデートーナメント中のクラブハウス内には、コースチェックをするために終わるのを待つキャディが集まっていますが、外に出て行く頃にはマンデーを終えて結果を待つ選手達で溢れかえります
アテストを終えて、ほぼ確定とソファなどで寛いで最終結果を待つ選手。 何も言わずに荷物をまとめて帰っていく選手。 最後同スコアで並び、カウントバックで笑う選手に泣く選手。 一つのトーナメントに出場するために行われるこの静かな戦いにこそ、プロゴルフ界の本当の姿を見ることができるのではないでしょうか。 |