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プロキャディ 小田美奈コラム
毎週月曜日更新

第99回 スコアボード

2008.9.22

もう何年も前から、パソコンや携帯電話を使って大会の結果だけでなく途中経過も調べることができるようになりました。
私がまだトーナメントでアルバイトしていた頃は携帯電話がそれ程普及しておらず、速報本部の電話番という仕事があったことを憶えています。
電話が鳴ったら受話器をとって速報が示されているパソコン画面を見ながら質問に答えるというものだったのですが、ラウンド終了間近になると出場している選手本人からもかかってきて、カットラインがいくつかと聞かれたものです。
今では携帯電話ですぐに結果がわかるので、選手やキャディも携帯電話を利用してスコアやカットラインを確認します。
しかし、もし自分がラウンド中であったら携帯電話を使って順位を確認することはできません。気になる上位陣の争い。そんな時、コース内の数箇所に配置されたスコアボードに目をやります。
スコアボードも様々な大きさや形があって、一つの組についてその組の選手のスコアを表示するものや、上位選手の名前とスコアしかないような小さいものから、ホールバイホール(ホール毎のスコア)まで表示される大きなものまであります。
最近では電光掲示板や大型ビジョンも増えて、ラウンド中に全選手の順位を見ることができる場合もあります。カットラインが気になる順位の時はどうしても目がそちらに行ってしまうものです。
コース内のスコアボードは必ずしもギャラリーの方々のためだけのものではないのです。

スコアと選手がいる場所を示しているボードです。

優勝争いをしている選手の中には、スコアボードを見ないという人もいるようです。
スコアばかりを気にしてしまって、一打一打に集中できなくなる。
優勝争いのプレッシャーを少しでも和らげたい。など、理由は様々。
しかし、スコアボードはギャラリーの方々に見やすい場所に配置されているということは、選手にとっても気づけば目に入ってしまうような場所に配置されているので、どうしても確認してしまうものです。
スコアボードのあるホールが、勝負を動かす大事なホールになるなんてことも実は少なくありません。
キャディの場合は順位を確認することで、マネジメントを考え直す場合もあります。
首位と何打差か、下と何打離れているのかを知ることで、攻めるべきか守るべきかの状況判断を冷静に分析しなければなりません。
この状況判断については、キャディ同士が集まるとたまに話題になります。前の週の優勝争いについて語り合い、こんな時どうする?僕ならこうする。ああする。と、お互いの考え方を知り、その考え方を参考にします。
時には語り合ったキャディ同士で優勝争いとなれば、あのキャディさんならこう攻めさせるはずだからうちはこうしようということにもなります。一騎打ちになった場合など、相手のキャディを知っていることも大事です。

最終ホールでよく見ることのできるボードです。
上位選手のホールバイホールまでわかります。

スコアが動けば変わるスコアボード。それによって動かされる選手とキャディの心の中。
優勝争いの緊張感の中で、スコアボードは影ながら大きな鍵を握っているものの一つのような気がします。
 
次回更新予定:2008年9月29日

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