最終戦に向けて、熱い戦いが続いています。
しかし、朝夕は寒さを帯びて、間もなく戦いが終焉を迎えることを感じさせます。
日没が早くなるこの時期、出場可能な組数が自然と減ってしまうことにより、出場できる選手の人数も減ってきて、寂しさを増します。
夕暮れの時間が近くなり、影が伸び始めると、ゴルフのリズムが変わってしまうことがあります。
はっきりとした理由はありませんが、経験の中でそうした風景をよく見かけます。
優勝争いをして、良い緊張感の中でまわっている最終組であれば、あまりそうした雰囲気を感じることがありませんが、予選ラウンドで最終組となった場合や、雨や雷といった何らかの理由でスタート時間が遅れた時など、ラウンド中に日が暮れてくると、「早く帰りたい」という空気のようなものが全体に流れてきます。
もちろん、選手自身は集中してプレーしていますが、リズムが少し早まる選手が目立つようになります。
それならば、予選のスタート時間は早いほうが良いと思いがちですが、そうとも限りません。例えば、朝露が落ちてしまった朝など、コース管理の方たちがほうきで払い、グリーン上は丁寧に整えられ、一見綺麗にはなりますが、ティーショットはランが稼げず、グリーンは硬さが変わり、速さも一日の中で変わるので、敏感に反応していく必要があります。
スタート時間の運は、その日、もしくはその前日の天候によってもたらされるものなのです。
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スタート時間の運の良し悪しを決める最も多い要因は、やはり「雨」。
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男子ツアーの夏場は、4日間競技の内の予選2日間が午前組、午後組と分けられていて、初日と2日目で午前と午後が入れ替わる形で行われます。女子ツアーも4日間競技のものは同様です。
例えば、初日のスタートが午前スタートの1組目だった場合は、2日目は午後スタートの1組目ということになります。
そうした形での予選では、午前組の1組目と、午後組の最後の組とではスタート時間に大きな差が出ます。
初日の午後から降り始めた雨が、2日目の午前中まで降っていた場合、初日の午後組の人は、2日間とも雨となりますが、その逆の選手は雨に降られなかったことになります。
台風による強風なども、そうした形で影響を与えることが多いです。
スタート時間は、大会本部で決められるものなので、選手自身ではどうしようもありませんし、練習ラウンドの日のお昼に貼りだされる予選の組み合わせを見るまでわかりません。
そういった運の良し悪しを生み出してしまうような天候は、試合当日になってみないとわからない状況であることがほとんどです。
前日は天気予報と睨めっこし、試合当日の朝は天気図と相談しながらコースコンディションを見て、その日、その週の運は吉か凶か…と考えてしまうものです。
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快晴、無風だからといっても、状況に差が出ないわけではありません。
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良い運を持っているということも、ゴルフにとっては強さの一つであることに間違いありません。
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