前回に引き続き「楽しむ」ということに触れますが、違う方向からゴルフを楽しむことの必要性を考えたいと思います。
どういった仕事でも一緒だと思いますが、楽しいと思えるときは仕事がはかどりますね。 楽しいと思える仕事に就くことができて、それによって日々の糧を得られるのは本当に幸せなことです。ところが、どんなに幸せだと感じられる仕事でも、ふと不安になったり、楽しいと思えない瞬間があるかもしれません。そういった時は、仕事に対する意欲も低下し、能率もやはり落ちるのではないでしょうか?
プロゴルファーに対して、「ゴルフしてお金が貰えて良いね」と感じられる方はとても多いと思います。 しかし、そんなプロゴルファーという職業でもやる気を常に持続することというのは難しいものです。スポーツの世界ではそういった「意欲」「やる気」といった意味でモチベーションという言葉が用いられます。
常に夢中でいられるというのは本当に素晴らしいことで、特に、プロゴルフ界にデビューしたばかりの夢の膨らみやすい若手の選手などを見ていると、こちらも嬉しくなるほどです。
シードを獲得する、優勝する、アメリカツアーに挑戦する…様々な夢や目標を抱えてツアーに参戦してくる選手達。モチベーションも知らず知らずの内に最高潮に達していることでしょう。 しかし、夢や目標は時に大きなプレッシャーとなりうるものです。 そのプレッシャーからふと目を逸らすと、大きな荷物を抱えて日本全国を転々と移動する日々、ゴルフ漬けの日々、疲れた身体。そしてそこから発生するモチベーションの低下に対する不安。 プロゴルファーという仕事は、会社勤めよりはモチベーションの高い状態を維持しやすい仕事ではありますが、高く維持していなければならない仕事とも言うことができます。
|
何事も、まずはやる気から! |
高い状態で維持するための手段として体力の温存が最も重要な課題ですが、それ以外の方法の一つとしてゴルフそのものを楽しむことが挙げられます。 練習ラウンドからやる気満々という選手は少ないし、雨の日のラウンドなどモチベーションは下がり気味になってしまう心配があります。そんな中ではゴルフのことばかりになるより、少し違ったところで楽しんでもらうことも必要です。選手とキャディはそういったときのためにも、技術面以外の引き出しを多く持たなければなりません。
しかし、これらはあくまでもモチベーションの「維持」の問題です。モチベーション低下という壁にぶつかっている選手には、なす術がありません。選手自身が何らかの答えを見つけてくれるまで待つしかありません。何年キャディをしてきても、モチベーションの問題は本当に繊細で難しいものに感じます。
私自身は、ゴルフに関わる仕事ができて本当に幸せだし、毎日が楽しく充実しています。そう感じている選手も多いはずです。 実際にはツアーに出てお金を得るということが難しい選手の方が多いわけで…。普通に会社勤めをしたほうが生活も楽だろうと思われても、ギャラリーの声援を受けながらラウンドすることを目標に頑張っている選手が多いはずです。夢や目標があるからこそ、頑張ることができるし、それを苦と感じずに済むのではないでしょうか。
夢や目標に対して夢中になって突き進めるということは、叶うこと以上に幸せなことかもしれません。 |