海外でのキャディの立場はどうなのでしょう? 私が経験した海外の試合 は、男子は全英オープン、女子はワールドカップとオーストラリアのANZレディス、そしてU.S.のナビスコの4試合。 その中で、何人かのプロキャディと食事をする機会がありましたが、ツアーによって様々な違いがあるようです。そこで、日本、U.S.、ヨーロッパ、アジアの各男子ツアーのキャディ事情を数人のキャディに聞いて簡単に調べてみました。
よく耳にすることは、U.S.のキャディは選手と対等ということ。 それは ヨーロッパツアーにおいても感じるそうです。 U.S.ツアーではアテストルーム(スコア提出所)にキャディも入って、選手と一緒にスコア確認するとか。プロ意識の強さを感じます。キャディに就労ビザが下りるという事実も、職業としての認知度の高さを知ることができます。 ヨーロッパツアーにおいては、年間で5 万円払って登録すると、飛行機代やレンタカー代が安くなったりゴルフ代が無料になるバッジが貰えるそうです。(3年以上ヨーロッパツアーでキャディしている者に限られます。)ほぼ選手と同じ待遇が得られるとい うことですね。 ちなみにU.S.ツアーでは年間の登録はできても、そういった特権は無いそうです。 アジアでは試合毎に選手と一緒に登録。日本ツアーではキャディの登録自体、選手がするものです。
|
キャディ用のポンチョです。左上は2002年の全英オープン。右下は2005年のW杯のものです。
どちらもポンチョの回収係に無理言って貰いました。
|
そして、どちらのツアーも共通であることは、クラブハウスにキャディが入 れないということ。これはU.S.の女子ツアーでも一緒でした。 日本ツアーでも稀にロッカーに入れない試合がありますが、殆どの試合でクラブハウスどころかロッカーにも入ることが出来ます。アジアのツアーでもロッカーまで入れるそうです。 それだけを聞くと、日本ツアーのキャディの方が優遇されていると思われるかもしれませんが、それがキャディと選手にとって良いか悪いかは複雑なところです。 キャディがクラブハウスに入れないとなると、荷物の準備やラウンド後の片づけは選手の仕事になります。その代わり、ロッカールームは完全に選手だけのプライベートスペースになります。(日本ツアーでよく見られる女性キャディが男子ロッカーの中で仕事している光景は、U.S.とヨーロッパでは異様に映るかもしれません。) キャディはクラブハウスに入れない代わりに、キャディ専用の食事場所があるので、クラブハウスに入れないからといって何も問題無いそうです。 日本の女子ツアーでは、クラブハウスにキャディが入ることはできても、基本的にロッカーは選手専用。そういった意味では、女子ツアーの方がU.S.やヨーロッパのツアーに近いのかもしれません。
以上のことを比較してみて思うことは、選手とキャディが対等とよく言われ る理由が、実はその関係だけではなくて、制度的な部分も大きいのではないかということ。 世界のトッププロ達につくキャディに共通して感じられた「自信」は、こういった所からも自然とつけられていくものなのでしょう。 しかし、フィールドは違ってもキャディはキャディ。 お互いに刺激しあいながら成長できたら最高ですね。
|