キャディの仕事の中で、私が最も苦手とする所がやってきました。 しかし、プロキャディ以前にキャディとして基本的なところなので、避けて通るわけにもいきません。 それでもプロキャディになれるのか?と思われてしまいそうですが、私はラインを読むのがとても下手です。キャディを始めたばかりの頃は、正反対に読むこともしばしば。 今は正反対ということは無くなりましたが、感覚で読めないのは未だに悩みの種です。 逆に、感覚で読めないお陰で、ここに書くことがあるのかもしれませんが…。
普通のプロキャディはその場に立てばラインが判るもの。私の場合は平衡感 覚が足りないのか、空間認知力が低いのか、立っただけでは判らないので、私なりの読み方というのがあります。
まず、コースチェックの際に大まかな傾斜を調べておきます。 水の中に 入った空気の動きで傾斜を知る道具の他に、今では傾斜のレベルを数字で表示する機械等もあり、それらを使っているキャディの姿を良く見かけます。 それによって、傾斜の頂点となる所が分かり、大まかな傾斜を知ることができます。 試合時はそれを参考にしてショットの狙いを決めたり、ラインを読んだりします。
目もコースチェックの時に調べておきます。 その時に芝の光り具合や、スプリンクラーや池といった芝が向きそうな要因の場所もチェックします。大まかの目の方向をメモしておきますが、試合中はそれに囚われすぎないように気をつけなければなりません。試合のときはグリーンの端にカップが切られることが多いので、目が思っていた方向と違うことが多いのです。 そして、グリーン全体の傾斜をセカンド地点から眺め、グリーンに乗った所で一度見て、あとは前後左右4箇所からラインを見ます。もちろん他のプレーヤー の球の転がり方も参考にします。
|
傾斜を測る道具です。見た目にだまされている事が多いことを思い知らされます。
|
その中でいつも私が悩む事は、選手によって、または状況や気持ちによって 、打つ強さが変わるところ。強さが変わればラインも変わってきます。 一番パターが入る時は、選手のイメージが、グリーンの読みと打つ強さにぴったりはまった時。また、調子が良いと、微妙に切れそうなラインを強気に真っ直ぐで打っていけるもの。 そういった状況になってしまえば、次に大事になって来るのは「キャディの引き際」だけ。 芝1本1本が生きているものなので、選手がはまった時(いわゆるゾーンと言われる状況)は選手の感性のみで読んだ方が、その空気さえも変えてしまう力があると信じるからです。
それから、ギャラリーの方のエネルギーがボールを押している感覚があるのも事実。 18番ホールの優 勝を決める最後の1パットの瞬間は…、とこれだけで1話できてしまうので、またいずれ。
|