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プロキャディ 小田美奈コラム
毎週月曜日更新

第157回 シード権争い

2009.11.02

11月に入り、プロゴルフトーナメントも男女共に残り試合が少なくなり、片手で数えられるほどになってきました。そうなると、気になるのは賞金王、賞金女王争いですね。
しかしこの時期には、賞金王、賞金女王争いの陰に隠れるようにして、来季のシード権をかけた戦いがクライマックスに向けてより一層熱くなってくるのです。
このコラムでは第55回の「最後の戦い」で最終戦のシード権争いについて触れました。
毎年最終戦ではそのボーダーライン上にいる選手数名によって熱い戦いが繰り広げられますが、その争いに参戦できずに状況を見つめながらただ祈らなければならない選手がいるということも少なくありません。
なぜそのような状況が起きてしまうかというと、最終戦に近づくにつれ日が短くなることも関係し、出場選手の人数が減少していくことに要因があります。
出場可能人数が減少すると、クォリファイングトーナメント(当コラムの第108回参照)の順位によって、夏場の試合には出場できていても秋口以降には出場できなくなってくる選手が増えてきます。そうした中に、シード権のボーダーラインぎりぎりの選手がいれば、その選手は推薦出場枠を獲得できない限り、状況を見守ることしか許されないことになります。
寒くなるにつれ、戦いはますます熱くなっていきます。
寒くなるにつれ、戦いはますます熱くなっていきます。
男子ツアーの場合は、既定の試合までの賞金ランキングによってクォリファイングトーナメントの順位が変わるので、そうした状況は起こりにくくはありますが、それでも全く無いということはありません。
大会側もシード権争いのライン上にいる選手に対して、主催者推薦枠で出場できるようにしたり、主催者推薦選考会(通称、マンデートーナメント。第103回参照)がある場合には優先的に選考会に出場できるように取り計らったりといったことはあるようです。
実際に、ほぼシード確定と思われるほどの賞金を獲得していたのに、秋口以降の試合に出場できず、最終戦で賞金ランキングが下位の選手に抜かれてしまい、シード権を獲得できなかったという選手がいます。
一瞬でも来季に対する希望を描いていただけに、その状況は実際にトーナメントに出場していて抜かれるよりも辛かったに違いありません。
そうした選手は、当然また来季の出場権をかけて争うクォリファイングトーナメントへ向かうしかありません。
試合数や賞金総額などを考慮して、シード権の確定ラインがおおよそいくら位かということを予想しますが、各選手の賞金の獲得具合によって予想をはるかに上回る結果になることも多く、最終的にはこの時期になってやっと具体的にいくらぐらいがラインになるのか、自分はあといかほどの賞金を獲得しなければならないのかということが見えてくるのです。
様々な形で緊張感を増してくるこの時期。賞金王、賞金女王争いにばかり目が行きがちですが、男女共にインターネット上で賞金ランキングを確認することができるので、そちらの方にも目を向けてみるとまた違う面白さを見つけることができるかもしれません。
 
次回更新予定:2009年11月09日

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