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プロキャディ 小田美奈コラム
毎週月曜日更新

第160回 選手の中の流れを知る

2009.11.23

前回、今乗っている波が良い流れのものなのかどうかを知るための判断材料として、経験からくる「勘」や選手の発する空気をあげました。
今回はその選手が発する空気というものがどんなもので、それをいかに読むのか、できる限り具体的にお話ししたいと思います。
ただし、これも目に見えないものなので掴みどころのないものになってしまうかもしれませんし、全く参考にならない可能性もありますが…。
選手がどういった時にその判断材料となるような空気を発するのか。それは「常に」です。
しかし、それは目に見えないものなので、キャディは様々な角度からその空気を読もうとします。どんなアドレスで構えて、どんなショットをするのかといった技術面はもちろん、歩くスピードや話し方なども参考になります。
私が判断材料として重要視するのは、「選手が大きく見えるかどうか」と「目」です。
選手が大きく見えるときは良い流れの時と判断します。これはおそらくアドレスや姿勢などとも関連してくるものだと思います。
小さく見えるから大きく見えるようにするためには…ということは、悪い流れを断ち切って良い流れを呼び戻すためには…ということであり、つまりはその方法の一部は自ずと決まってきます。
具体的には、下を向かせないように会話をする、歩くリズムをややゆったりする等で、その選手とその状況に合った方法をとることになります。
ターゲットへイメージを描けているかどうかがとても大事です。
ターゲットへイメージを描けているかどうかがとても大事です。
「目」は選手が集中できているかどうかを判断するのにとても大事な部分なので、選手の目は常に意識するようにしています。
集中できている状況は、良い流れの状況であることが多いものです。
そうなってしまえば、キャディは距離を測り、風を告げて、ターゲットと番手を確認するだけで、あとは何もする必要が無くなるものです。何もしてはいけない状況とも言うことができます。
いかに選手がその集中力を持続させることができるかは、ゴルフ以外、極端に言えば目の前の1打以外の余計なことを考えさせないことが重要です。
バーディが続いていても、集中力を感じられない目つきになってしまった時は要注意です。再び集中できるような状況になるまで、悪い流れを引き込まないように少々丁寧に攻めていく必要が出てきます。
そうして判断した選手の中の流れが、全ての選手を包む状況という全体の流れの中でどのように合わさっていくのか、または全体の流れを変えることのできるような力強い流れを作り上げることができるのか。そのためには今度は全体の流れがどういった方向に向いているのかを知る必要が出てきます。
そこで今度は経験からくる「勘」の部分が必要になってくるわけです。
せっかく選手の状況がわかったのなら、それを活かしていかなければ意味がありません。
 
次回更新予定:2009年11月30日

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