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プロキャディ 小田美奈コラム
毎週月曜日更新

第175回 GPS距離測定器

2010.3.8

最近様々な分野でよく耳にするGPS(Global Positioning System)。
衛星を利用して地球上の現在位置を調べるというもので、一般的には車のナビゲーションシステムなどでよく知られています。
ところが昨今、GPSは様々な分野で利用されるようになってきており、遂にはゴルフ業界でもその能力が利用されるようになりました。

今まで、ゴルフ場のコースレイアウトはそのホールのティグラウンドに立て札などで表示されていたり、スコアカードに描かれていたり…といったような形で知ることができましたが、今いる地点から目標までの距離を知るには、自らの足で歩測するかレーザー距離計を使わなければなりませんでした。
しかし、歩測では離れたところには測りにいくことができません。そして、レーザー距離計の場合は目標地点に機械の照準を合わせるポイントが必要という弱点があります。
例えば、カップまでの距離ならば旗に照準を合わせれば良いのですが、グリーンエッジまでの距離を知りたい場合はポイントになるものが何も無いことが多く、正しく測ることは非常に難しいです。バンカーも、顎があればそれを越える距離を測ることはできますが、入る距離は測れません。
それならば、プロキャディが距離を調べる時にどうしているかというと、先を歩いている人にそのポイントに立ってもらうか、傘などを地面にたてるといったような方法で目標にポイントを設けるのです。
ほぼ全てのプロキャディがレーザー距離計を所持しているにも関わらず、ヤーデージブックが売れるのは、そういったところに起因しているのです。

GPSを搭載した距離測定器の場合、今いる地点から目標までの距離をボタン操作だけで示してくれるので、ヤーデージブックの情報どころか、キャディが計算して示す数字までミスなく教えてくれるということになります。
ポケットにすっぽりと納まるその小さな機械は、性能はもちろんのこと、携帯しやすい大きさであることや、そのデザイン性の高さからも大きな注目を浴びています。
今では、ゴルフ場の検索をする際にGPS測定器の使用が可能かどうか明記されることも当然のようになってきました。
セルフでのラウンドがほぼ定着したここ数年、GPS測定器の需要は高まると同時に、キャディの需要はさらに減っていく傾向になることは容易に想像できます。
コースを熟知しているだけではキャディとしての価値が無い。
そんな新しいキャディの時代に入ってきたのかもしれません。
 
次回更新予定:2010年3月15日

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