前回書いた「考えすぎるゴルフ」は、何もアマチュアの方ばかりにある話では決してありません。プロにとっても、考えすぎてしまっているように見られる場面というのは多々あります。
ストロークにばかり気が行ってしまって、肝心のラインのイメージが持てなかったり、スイングに対しても形ばかりでリズムを忘れてしまったり…。 今にも戻ってきそうな良い流れがなかなか戻ってこないと、待ち切れずにあれやこれやと考えてしまいたくなるのはプロも同様です。 自信を持ってひたすら良い流れを待ち続けることも実力の内なのかもしれませんが、何らかの迷いや悩みが頭にある時は、どうしても答えになりそうな何かを探してしまいたくなるものです。
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もっとも身近にいる存在だからこそ、響くアドバイスは 難しいと言うこともできますね。
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しかし、ふとした思いつきや誰かのちょっとした言葉で、目の前の霧が晴れてしまうことがあります。 キャディは試合中、最も選手の側にいる存在ですから、キャディの一言で良い流れが来たという話は少なくありません。 長年一緒にやってきたキャディは選手の悪い癖を知っているし、単発で担いだキャディはそれぞれが持つアドバイスが選手には新鮮に響くもの。どちらも考えすぎている選手に対して様々なアクションを起こすことができます。 そうした大事な一言をベストのタイミングで発せられるかどうかは、そのキャディの持つ実力だと思います。 やはり選手は良いアドバイスをくれるキャディを使いたいと思うものですし、キャディはそういったアドバイスができるようなキャディでありたいと思うものです。
そのために大事なことは何か。 まずはたくさんの引き出しを持つこと。 様々な状況や選手の十人十色な性格に合わせることのできるたくさんの対応と言葉。しかも、いつも同じ対応や言葉ばかりでは選手の心に響きにくくなるので、多く持っていればいるほど良いです。 次に、どの引き出しを選び、どのように使うのかを考えること。 経験やそのキャディのキャラクターといったものに依るところですが、同じ言葉も言い方によって捉え方が違ってくるものです。厳しく言った方が良い場合もあれば、何気なく伝えてみることが良い場合もあります。時には言葉にせず、こちらの動作で誘導する場合もあります。
しかし、そうして発せられたアドバイスや動作が、その効力をすぐに発揮することばかりではありません。 しばらくして流れが好転した場合、きっかけがその言葉であるかどうかはもちろん分からないし、とても良いアドバイスだったのにかえって悪い流れを引き寄せてしまうなんてことも無いとは言い切れません。 そうなると、今度はキャディが悩んでしまうことも・・・
考えすぎてしまうのは何もプレーヤーばかりでは無いのです。 「考えすぎないゴルフ」をお勧めしておきながら、実は私も考えすぎるキャディの一人。 本当、ゴルフはなぜこんなに考えさせられるのでしょう?
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