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プロキャディ 小田美奈コラム
毎週月曜日更新

第176回 ボールを探せ!

2010.3.15

気持ちの良い青空に、綺麗な線を描いて飛んでゆくボール…
みなさん、ボールの行方は最後まで見ていますか?
プロ並みの飛距離を持つ人であれば、もしかするとキャディさんでさえ落下地点が見えないということもあるかもしれません。
しかし、「落下地点が見えなかったから」という理由ばかりではないように感じられる、ボールを探す光景を目にすることがあります。
ボールは全然手前なのに全く見当違いの先の方でボールを探していたなんて経験がありませんか?

試合中、選手はショットを終えたらすぐにボールの行方を確認することがほとんどです。
ショットをする立場では見失ってしまいそうな球筋はあります。
ミスであれば、その後の処置にも関わることですし、そうでなくてもフェアウェイかそうでないかは気になるところ。
選手自身が結果に確信を持てない場合、当然キャディに確認します。
「どこいった?」「フェアウェイ?」「グリーンに乗ったか?」といったように、選手は聞きますが、プロのボールを見失わないでいることは簡単なことではありません。

「どこ行った?」という選手の問いに「ファーストカットとセミラフの間」と答えた先輩キャディさんがいます。(ファーストカットとセミラフは同義)
「どこ行った?」という選手の問いに「ファーストカットとセミラフの間」と答えた
先輩キャディさんがいます。(ファーストカットとセミラフは同義)
プロの場合は飛距離が出るので、完全に見えないような場所に打っていくこともあります。できる限り、選手がショットする前に落下地点が見える位置まで移動しますが、状況によっては移動できないこともあります。
それでもボールがどの辺りにあるか分かる理由は、選手の持つ飛距離とコースの状況からある程度判断できるからです。
コースを知っているということはとても重要です。コースを知らなければ、大体どの辺りにボールが落ちるかを判断することは非常に難しいことです。
近くに見えているバンカーが意外に遠かったり、ピンの距離でさえ奥の木々によって近くに感じたり遠くに感じたり…といったように、ゴルフ場は錯覚に満ち溢れているところ。確かな距離を知っていれば、良いショットを打ったときにどの辺りまで飛んでいくかがわかるので、空に消えてしまったボールも落下地点の芝の色でまた浮かび上がってきます。
ミスショットをした場合は、木々で見失ってしまいそうになるのは仕方がないこと。
大体どの木の方向に飛んで行ったかを確認したら、あとはキャディバックを担いで一直線にその木に向かって歩いていけば良いのです。
ボールが木に当たった音がした時は要注意。予想外のところに跳ねてしまっていることも多く、飛距離を全く無視して手前の方から探していきます。
プロの試合でボールをロストするということはほぼありません。
あるとしても、木の上に乗ってしまって確認できなかったり、あまりにも深いラフで探すことが困難であったりといった時ぐらい。ギャラリーの方が持って行ってしまったということも。
プロは曲がらないから…なんて、そんな事はありません。飛距離が出る分、曲がればロストの危険性もより高くなります。
では、なぜロストしないのか。
一番の理由は、なんといってもボールを探してくれる人がいること。
試合中は、ボールの落下地点付近にボランティアさんが配置されていますし、ギャラリーの方もいます。そんな状況でロストするということは、よっぽど運が無いということではないでしょうか。
セルフでのラウンドが多くなってくると、ボールを見失ってしまうことも多くなります。まずは自分の飛距離をしっかりと知ることです。
もっとも、曲げないに越したことはありません。
 
次回更新予定:2010年3月22日

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