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プロキャディ 小田美奈コラム
毎週月曜日更新

第35回 影

2007.7.2

ますます日差しが強くなり暑さを増してくるこの時期、ラウンド中にプレーヤーが日傘を差す光景もごく 当たり前に見られるようになってきました。

女子プロの試合では日焼けを気にするという意味もあって特に目に付きますが、体力の消耗を抑えるため に最近では男子プロでも日傘を持つ選手が出てきました。
この時期の強い日差しは、皮膚を焼き水分を奪い、じわじわと体力気力を共に失わせていくもの。日傘がなくても、合間を見て木陰に入るなどして暑さをしのぐことは、選手のプレーだけでなくその体自体にも、たとえそれが短い時間でもとても大事な時間です。
バイザーを帽子に代えるだけでもずいぶんと体が楽になるようですが、ポロシャツの襟を立てる、短パンをやめて薄い生地の長ズボンにするなど、日差しを直接浴びないようにした方が、太陽に体力気力を奪われることが少ない気がします。
歩いている時間だけでなく、待っている時間も長いスポーツですから、自分で陰を作って日差しを避けることも必要です。

しかし、影がプレーヤーに与えるのは必ずしも良いことばかりではありません。
ゴルフをされる方ならよくわかることだと思いますが、影がプレーを妨げることが少なからずあります。特に、視界の中の影が動いている時と、ボールと目標のライン上に影が違う線を描いている時に気にするプレーヤーが多いようです。
意識が影の方に少しでも向いてしまうと、その分集中力が散漫になってしまうからだと思われます。グリーン上でカップとボールを結ぶラインを木の陰が横切っていたり、プレーヤー自身の影が重なったりするだけでも少々違和感があるもの。
それが自分以外の人の影であれば、なおさら気になるのは当然のことです。
プロキャディ 小田美奈コラム
影は絵になりますが、キャディにとってはちょっとした曲者です。
実はキャディを始めたばかりのアルバイトの頃、この影にとても苦労しました。
キャディの立つ場所は、選手が目標に対して構えたときに正面にあたる位置が基本ですが、そこに立つことによって影が構えた選手の方向に向いてしまうことに気づいても、さあそれならどこに立てばいいのか?まだ慣れていないのでスッと動くことができず、もたついてしまうのです。
選手はたとえその影が動いていなくても、人為的な影を嫌がる場合がほとんど。
キャディは自分自身の影でなく、キャディバックの影も選手の視界から隠さなければなりません。 ティグラウンド上で選手が気にならない場所に木陰があればそれに自分の影を重ねたり、時にはティグラウンドに一度上がっても影が邪魔になるようなら降りたりすることもあります。秋口の日が短くなる頃になると影が長くなるので、ますます居場所を探すことが難しくなります。キャディが木陰にいるのは、必ずしも暑さをしのぐためだけでは無いということですね。
暑い時期のゴルフ、少しでも陰を探して暑さをしのいで是非楽しんでください!くれぐれも一緒 にまわっている人のプレーを影で邪魔しないように気をつけて。
 
次回更新予定:2007年7月9日

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