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プロキャディ 小田美奈コラム
毎週月曜日更新

第41回 番手チェック

2007.8.13

選手が土曜、日曜などのテレビ放映が予定されている日に優勝争いに絡むと、キャディは一つだけ簡単な 仕事が増えます。
テレビの中継ホール(特に後半のショートホール)や最終組などの優勝争いをしている組に、番手をチェックする仕事をする人が配置されています。その人に、今選手が持っているクラブが何番なのかを教える「番手チェック」と言われる仕事です。
番手をキャディに聞く仕事をする人というのは、大体がゴルフサークルやゴルフ部に所属する大学生のアルバイト。キャディに番手を聞いたら、それを機械に入力します。それがテレビに表示されるというわけです。

番手を教える際に注意しなければならないことは、選手がショットをする前に伝えることが基本なので、 集中している選手の邪魔にならないようにすること。
キャディにとっては大事な仕事ではないので、手が空いた一瞬の間に行います。
教えるタイミングは選手がアドレスに入るまでのルーティーンに入ってからということが多く、できるだけ選手の視界に入らないところでそっとします。
伝え方も指で示したり、ウッドの場合はヘッドカバーに書いてある数字を見せたりと、静かに行われます。
指で示す場合のよく知られている方法は、指を上にして普通に4本立てれば4番アイアン、5本立てれば5番アイアン、指を下にして1本出したら6番アイアン、2本出したら7番アイアンといった形。ちょっとした暗号を取り交わすような感じです。
手で示すので、他の選手が何のクラブを振るのかもわかり、参考になります。

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見にくいかもしれませんが、右のほうに写っているのがカメラマンの方。
カメラマン、コードを運ぶ人、ラウンドリポーターのマイク持ち等、
コース内にもテレビのお仕事をしている人はいっぱい。
番手を聞かれる時と言うのはこういった優勝争いのときだけに限った話ではありません。
選手が優勝したときや、イーグル以上のスコアを出したときなどにも聞かれます。
優勝したときというのは、プレスの方々が情報の一つとして聞いてくるもので、クラブハウスに引き上げた後、選手がアテストと表彰式を行っている間の待ち時間に全ホールの距離と番手を伝えます。これは大体次の日の新聞に載ります。
イーグル以上のスコアを出した時には、自分の組についているスコアラーの方から残り距離と一緒に聞かれます。ホールとホールの間に聞かれることがほとんどです。これもプレスへの情報の一つです。
つまりは、番手を聞かれる=良いスコア。
キャディにとってはちょっと楽しいお仕事なのです。
 
次回更新予定:2007年8月20日

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