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プロキャディ 小田美奈コラム
毎週月曜日更新

第64回 引退の時期

2008.1.21

新しい1年が始まり、今年どの選手のキャディをするかが大体決まってくる頃、寂しい話ですがゴルフ界を去っていく者がちらほらとでてきます。体力勝負の仕事なので、試合が少なくなるにつれて多くのキャディの頭の中を「引退」という言葉がよぎります。養う家族がいればその思いはなおさら強いものになります。
今年は一昨年に大活躍したキャディが一人引退することになりました。


【藤室 一平】

愛称:一平 (以下、一平)
昭和53年10月8日生 東京都葛飾区出身 立命館大学経営学部卒
プロキャディ暦7年 優勝 4回

2001年3月、東建コーポレーションカップでジーブ・ミルカ・シン選手のキャディをし、4位。
「来週も頼むよ」とプロから頼まれ、卒業を控え進路がまだはっきり決まっていなかったことから、プロキャディの道へ。
シン選手のメインキャディとして7年間戦ってきました。
2006年は、日本、米国、欧州、アジアツアー全て合わせて39試合に出場し、その内の35試合をアシスト。その年シン選手は世界各地で2億円を超える賞金を稼ぎ、日本のキャディとしては2006年最も稼いだキャディと言えます。

その年の 4 月にボルボチャイナオープンで優勝。
一平にとっての初優勝であるこの試合の後にシン選手から言われた「今までよく待っていてくれたね。ありがとう。」の言葉が最も思い出に残る言葉だそうです。
そして昨年、マスターズにインド人として初めて出場したシン選手のキャディとしてオーガスタを経験しました。
その後、欧州ツアーを主戦場にしてきたけれども、慣れない環境での転戦が次第につらく感じるようになり、帰国。
8年間交際を続けてきた真美さんとの結婚が決まったこともあり、昨年の日本シリーズを最終戦にキャディ人生を終了することに決めたそうです。
今後は会社員としてマレーシアに赴任。キャディで培った海外生活でのノウハウが役に立ちそうです。

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結婚式にて。左が一平キャディ。右が新婦様の真美さん。
一平は大きな体に日本人離れした顔立ちで人一倍目立つ存在でありながら、彼の周りだけは常にのんびりとした時間が流れている気がします。毎日、豪快に飲み、食べ、笑う。
そんな一平がゴルフ界を去ってしまうと、大きな穴が開いてしまいそうです。
「プロキャディとしての目標が優勝だったので、それが達成できて満足。
頑張ることができたので、悔いは全くありませ ん。」と、なんともさばさばとした言葉で最後を締めくくってくれました。

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プロキャディ軍団やスポンサーの方々がお祝いに駆けつけました。

新しい生活を始めることには勇気が必要ですが、一平はそんな勇気を当たり前に思っているような気がします。
きっとまた新しい目標に向かって頑張っていくのだろうと思います。

 
次回更新予定:2008年1月28日

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