キャディのお仕事の話のように聞こえるタイトルですが、今回は選手自身が自分のためにする環境作りの話です。
プロゴルファーのプロフィールなどを見ると、「所属先」というものがあります。
ここ数年で選手の「所属先」が変化し、新たにマネジメントという分野が注目を浴びているようです。
数年前までは、多くの選手がゴルフ場に所属していました。
ツアーが休みの週にはそのゴルフ場に出向いて、ラウンドレッスンはもちろん、キャディマスター室の仕事や、バッグ運びなどの仕事をこなし、社員としてのお給料をもらっていました。場合によってはツアー遠征費を援助してもらえたり、当然練習の場にもなったりするのでプロゴルファーにとってゴルフ場というのはツアーへの拠点とも言えるべき存在でした。
しかしゴルフ場の体制が変わり、キャディが派遣だったり雇わなかったりという状況の中で、プロゴルファーも自然とゴルフ場から離れていく傾向が見受けられるようになりました。
そして最近では、ゴルフメーカーに関わらず、企業にスポンサードしてもらう形が主流になってきました。例えば、石川遼プロのPanasonic、宮里藍プロのサントリー、上田桃子プロのSONYなど。
もちろん、その契約は様々ですがたくさんの企業がそれぞれの選手の手助けをしています。
さてそんな中、自分で会社を立ち上げ、自分を所属させるという女子プロを見つけました。
那須ミネコプロ (以下、那須さん) |
1971年12月19日生 埼玉県出身 |
主な戦歴… |
‘00 日本女子オープン選手権競技 2位 |
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‘01 第20回記念大王製紙エリエールレディスオープン 2位 等 |
そんな那須さんの所属先は「NASBIS」。
昨年に会社を設立し、人材派遣、イベント、レッスン、マネジメントなどを仕事としています。
それらの仕事の中で、ツアーに関わってくるのは「マネジメント」の部分です。
所属先とは選手がお金をもらって帽子などにワッペンを貼って宣伝する形。
マネジメントは逆に選手がお金を払って日本中を転戦するための雑務をこなしてもらうものです。
転戦するためには、飛行機や新幹線、レンタカーといった交通手段の確保、宿泊先の予約、キャンセル、といったことが必要になってきます。
毎週それら全てを選手自身でこなすというのはとても大変なことで、昔は数名の選手で助け合いながらということがよく見受けられました。
最近ではマネジメント会社に委託してしまうことが多いようで、急速にその契約をする選手が増えていますし、そういった会社も増えています。
数年前に伊澤利光プロのキャディがそういったマネジメント会社を設立したことでも話題になりました。
いつの間にか新しい流れができたようですが、そんな流れも既に主流となってきているようです。選手自身がゴルフに集中できる環境を作っていこうとしている気持ちの現われということでしょうか。
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