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プロキャディ 小田美奈コラム
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第90回 観戦レポート ~UBS日本ゴルフツアー選手権宍戸ヒルズ~

2008.7.21

今期2試合目の公式戦、UBS日本ゴルフツアー選手権に行ってきました。
場所は茨城県の友部インターを降りてすぐにあります、宍戸ヒルズカントリークラブ。
今回は個人的な用事があったので、火曜日のプロアマ戦を観戦してきました。
プロアマの日というのは、プロアマに出場しているプロもアマチュアの方とお喋りを楽しみながらのラウンドで簡単にコースを見るような感じですし、出場していないプロは練習だけなので、大会期間中とは全く違ったのんびりとした雰囲気です。
そんな和やかな時間が流れる中、プロアマの日でしかも平日にも関わらず、ギャラリーの方がたくさんいらっしゃいましたね。特に石川遼選手の組には関係者も多く、大集団になっていました。
ギャラリーの方からのサインや写真のお願いに気さくに応じるプロの姿も多く見られ、本戦の緊張感漂う雰囲気とは全く違ったツアーを感じることができます。

開催された宍戸ヒルズカントリークラブはタフなコースセッティングで有名で、ラフの長さは日本オープン並み、もしくはそれ以上の厳しさです。
そのためどうしてもフェアウェイは狭く感じられるので、ショットの正確性を求められるコースになっています。特にティショットでフェアウェイを外した途端に苦しい展開が予想されるので、自分の忍耐力の限界を知ることのできるコースと言えるかもしれません。

ロッカーの中に受付がありました。
受付の可愛いお姉さんと写真を撮りたかっただけでは?
と突っ込みたくなるような小岸さんです。

さて、今回キャディの視点で見て気になったことがあります。
それは冠スポンサーである「UBS」のロゴが入った帽子を多くのキャディが被っているのはよくある風景ですが、自分のスポンサーを持つキャディも「UBS」のワッペンをつけていること。
実はその帽子を被ったり、ワッペンを肩につけたりすることで、キャディは一日幾らかのスポンサー料をもらうことができるのだそうです。
こういった形は海外では珍しくないのですが、実は日本では非常に珍しく、キャディにとっては本当に有難い話なのです。
ここ最近、キャディを広告媒体として使ってくださるスポンサーさんというのは珍しくなくなりましたが、ツアーを開催してくださっているスポンサーさんとの兼ね合い等からそういったキャディの帽子やワッペン等を規制する流れが強くなってきています。
例えば多くのキャディがA社という会社のロゴが入った帽子を被っていたら、その大会はA社が開催しているかのような錯覚を受けてしまいかねません。
そういったことに対する懸念が、規制という方向に動いてしまっているようなのです。
本来はキャディを助けるための新しい形がかえって厳しい状況をも生み出してしまっていると言うことができます。必死でその流れを食い止めようとすればするほど、キャディの立場はますます厳しくなってしまうという悪循環になりつつありました。
そんな中、このUBSさんのキャディに対する考え方は、今の状況を良い方向へと導いてくれる、そんな気がします。


ワッペンはシールになっていて、
袖に簡単に貼り付けることができます。

プロの所有物的なイメージから、プロキャディという独立したものへ。
プロキャディの立場が確立されることを願って止みません。
大会は、星野選手の逃げ切り優勝でした。 この宍戸ヒルズカントリークラブから新しい風が吹く日もそんなに遠くないかもしれません。
 
次回更新予定:2008年7月28日

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