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プロキャディ 小田美奈コラム
毎週月曜日更新

第97回 ピンはどこへ?

2008.9.8

全ての選手がグリーンに乗ったら、キャディさんはピンを抜きます。そんな「ピン」に関してのお話。
それでは、あるトーナメント中の一組を想定して問題を出したいと思います。
キャディは選手一人に対して一人。
ピンの場所はグリーンエッジから8ヤード、左から4ヤード。
ピンから8ヤードの左ラフにAプロ。
グリーン右奥18ヤードのところにBプロ。
ピンの右手前4ヤードのところにCプロ。
この場合、距離のあるBプロのパッティングから行うことになりますが、どのキャディがピンを抜くのでしょうか?
通常であれば、一番先にパッティングをするBプロのキャディがピンを抜くことになります。
しかし、必ずしも一番先にパッティングに入る選手のキャディがピンを抜くわけではありません。全員がピンに近いところに乗っていれば、最後にパッティングする可能性の高い最もカップ近くに乗せている選手のキャディがピンを抜くことが一番効率的ですね。
それならばなんでCプロのキャディではなく、Bプロのキャディなのかというと、18ヤードという距離があるので、もしかしたら選手がピンを持つように指示するかもしれないからです。
距離のあるパッティングの時、キャディはグリーンに乗ってすぐピンを抜くということはありません。カップの位置をわかりやすくしたままの状態で選手と一緒にラインを読んでから、ピンを持つ、または抜きに行くことがほとんどです。

ピンはあっちへ。

それでは、その後Bプロがパッティングを終えてホールアウトしました。
次はAプロのアプローチになりますが、ピンを持っているBプロのキャディは、そのピンをどうするでしょうか?
ピンを挿すのが普通の答えですね。
そこで例えばラフといっても明らかにライが良い状況であった場合などは、ピンを挿すかどうかをAプロに確認するという答えもあります。
ボールがエッジにある場合など、選手がパターを持っていなかったとしてもピンを抜いておく状況が少なくありません。

今度はこっちへ。…キャディさん、何してるんでしょう?

トーナメントでのキャディが初めてという方に多い勘違いは、先にパッティングをする選手のキャディがピンを抜かなければならないと思っていることと、ピンはグリーンの外に置くものだと思っていること。
ピンは基本的にキャディが持っています。普通のお客様相手のキャディならば、たくさんクラブは持たなければならないし、ボールは3つも4つも拭かなければならないし、もしかしたらラインだって読まなければならないし、ひょっとしたらバンカーだってならしに行かなければならないかもしれません。そういう状況であれば、ピンは邪魔ですから置いておいたほうが良いですよね。
トーナメントでは、クラブは持ってもせいぜいウェッジだけだし、一人分のボールを拭いてラインを読むだけなので、ピンは邪魔になりません。しかも他のキャディに渡すことを考えれば、持ったままにしている方がスムーズなのです。
さて、最後の問題です。
全ての選手がホールアウトしたのに、キャディはピンを挿しませんでした。さて、その理由は?
ヒントは、そのキャディの満面の笑顔と選手のガッツポーズです。最高の瞬間ですね。
 
次回更新予定:2008年9月15日

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