とうとう今年も、男子はあと2試合。女子ツアーはLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップの1試合を残すのみとなりました。 男女ともに最終戦は、今年優勝した選手及び賞金ランキング上位の選手にしか出場権がありません。そのため、毎週ツアーに出場していた選手の多くは、男子の場合は今週のカシオワールドオープンで終了。女子の場合は先週の大王製紙エリエールレディスオープンで今年のツアーを終了しています。
とはいえ、秋口に入り日が短くなるにつれて、出場できる選手の人数も少しずつ減らされていっていたので、全ての選手が開幕から最後まで全ての試合に出場できたわけではありません。 昨年のこの時期に日本シリーズについて書きました( 第56回参照)が、その最後に少しだけ触れた来年の出場権を決めるクォリファイングトーナメントについて、今回お話したいと思います。
シード選手や歴代優勝者、主催者推薦の選手など、様々な出場の権利がある中で、出場できるのか出来ないのかが直前までわからない最も流動的と言えるものがクォリファイングトーナメント(以下、QT)による権利です。昨年末のQTによって決められた優先順位が、女子のツアーの場合は最後の試合まで影響します。男子の場合は、開幕から夏場までがその順位で出場権が決まり、その後何度か得た賞金によって順位が変動します。(これをリランキングと言います。)それによって、QTの順位がそれほど上位でなかったとしても出場できる順位にさえいれば、着々と賞金を獲得することでほぼ最後の試合まで出場することができます。
さて、QTの最終順位で上位に入れば昨年の出場実績などの情報から、大体の出場可能試合がわかります。しかし、順位が下がれば下がるほど確実さは無くなり、試合が始まって全組がスタートするまでわからない状況を毎週のように経験している選手がいるのも事実です。あと1打良ければ、多くの試合に出ることができたという状況が常についてまわる時、選手は一体何を思うのでしょう。 試合になんとか出ることができている選手達の中に、シード権を狙って試合に出場することを第一とするのか、既に始まっているQTに照準を合わせるのか、自分の賞金ランキングと昨年のQTの順位を考えながら、色々と動き方を変える選手もいるほど、QTは大事な戦いなのです。
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あまり触れてはいけないところ…そんな気がします。 書いていて胃が痛いです。 |
熾烈で、そして静かな戦いの結果は、各試合の公式サイトなどで確認することができます。試合に出ている選手達は、インフォメーションボードに毎日更新されて貼りだされる成績表を食い入るように見つめ、自分の仲間、先輩、後輩がどの順位にいるかを確認します。キャディも同様です。QTに出場している選手に連絡を取ることは、自然と控えてしまう人がやはり多いようです。 今、シードを得て試合に出場している選手達も、多くがこのQTを通ってきた選手ですから、お互いに気を使うこともあるのでしょう。
いよいよ賞金王、賞金女王を決めようという最も熱くそして華々しいこの時期には、同時に来年の出場権を賭けた激しい戦いが、想像以上の人数で争われていることを知ってください。そうすれば、テレビで見ることができる戦いが、より一層輝くものになると思います。 もう来年の戦いは始まっているのです。
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