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プロキャディ 小田美奈コラム
毎週月曜日更新

第112回 プロキャディ育成講座2…キャディバッグ

2008.12.22

キャディバッグはプロキャディにとって体の一部のようなもの。
担ぎ方は第93回の「格好良い担ぎ方」を参考にしていただいて、今回はラウンド中だけに限らず、トーナメント期間中にどのように扱われているかお話していきたいと思います。

1、キャディバッグの移動

毎週変わるトーナメント会場。全国各地を転々とするため、キャディバッグの運搬には基本的に宅配便を利用します。(第107回参照)キャディは会場に着いたらまず自分の荷物等を整理してから、キャディバッグを取りに行きます。キャディバッグが入れられたトラベルケースは、マスター室前のキャディバッグ置場やロッカールームの一部などコースによって保管される場所が違います。コースの方や先に入っているキャディさんに聞くなどして、自分が担ぐ選手のトラベルケースを探しに行きます。
前週と近い場所で開催される場合は、選手自身が車で運ぶこともありますので、その場合には選手の到着を待つことになります。

2、キャディバッグの準備

男子ツアーの場合は、キャディがロッカーに入ることができる場合がほとんどなので、トラベルケースはロッカールームに持って行き、選手のロッカー前で広げることになります。
トラベルケースの中には、キャディバッグの他に、シューズ、帽子、レインウェア、ボール、タオルなど必要なものがぎっしりと詰まっています。一週間使うロッカーに選手が使いやすいように収納していきます。
前の週の最終日が雨だった時など中身が濡れていることも多く、シューズやレインウェア、傘は乾いているかどうかを確認して、濡れていた場合には干さなければなりません。干す場所も基本的にロッカールームの中。
女子ツアーの場合は、ロッカールームは立ち入り禁止であることがほとんどなので、ロッカールームの外でトラベルケースを広げ、キャディバッグ以外の荷物を選手自身がロッカーへ片付けに行きます。
男子ツアー女子ツアー共に、その後はロッカーの周辺でクラブを磨き、グリップを拭いてキャディバッグの準備は完了となります。

3、練習中、ラウンド中以外のキャディバッグ管理

練習中、ラウンド中は常にキャディが管理するキャディバッグですが、例えば食事を摂る間などどうしても目を離す場合もあります。そういった場合には、マスター室前のキャディバッグ置場に置くことも多いですが、クラブハウス周辺に人が多い場合は念のためロッカーに置きに行きます。
その日の仕事が終了したら、男子ツアーの場合はゴルフクラブを選手もしくは自分のロッカーの中へ。キャディバッグごと収納できるロッカーであればそのまま入れてしまいます。
女子ツアーの場合は、クラブハウス側で保管してくれます。
選手によっては、毎日ホテルへ持って帰る場合もあります。
ロッカールーム内での盗難、破損などもたまに発生するので、管理は選手とキャディでしっかりと行うことが大事です。

キャディと言えば…キャディバッグ?
キャディと言えば…キャディバッグ?
毎週のようにキャディバッグを担いでいると、担いだ状態の方が走りやすいような気がしたり、キャディバッグが近くに無いことに違和感を覚えたりと、まるで自分の体の一部のようになります。不思議なことです。
選手によって重さも形も違いますが、どんなキャディバッグでもクラブがすぐに出し入れできるような形で担げるようになるものです。そういったことも経験から来るものなのでしょう。
さて次回の講座からは、コース内のキャディについて書いていきたいと思います。
 
次回更新予定:2008年12月29日

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