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プロキャディ 小田美奈コラム
毎週月曜日更新

第115回 プロキャディ育成講座3…コースを知る

2009.1.12

クラブハウス内で説明したいことがまだまだたくさんありますが、キャディと言えばやはりキャディバッグを担いでコースの中にいるものというイメージだと思いますので、そろそろ外に出てみたいと思います。

キャディの基本はコースを知っていること。

第2回でコースチェックについて書きましたが、とにかくコースを憶えることからキャディが始まります。
クラブハウスでメモを購入し、まずはコースを歩いてみましょう。
その際気をつけることは、練習ラウンドをしている選手の迷惑にならないようにすることと、もしグリーン上に一緒に乗ることになった場合はその選手に一言声をかけること。(私は一度だけ、声をかけそびれて練習中の選手に嫌な思いをさせてしまったことがあります。)
最初の頃は、見すぎるほど見て良いと思います。大事だと思ったこと、感じたことを全てメモに書き込んでいきましょう。
コース内の情報は、キャディが知っていて損なことは何もありません。それを選手に伝えるのか伝えないのか、どういった形で伝えるのかが大事なことなのです。
二人仲良くコースチェック中。前に紹介させてもらった剣持君とまぁ姉さんです。
二人仲良くコースチェック中。
前に紹介させてもらった剣持君まぁ姉さんです。
さて具体的にどこを見るのか。
1、ティグラウンド
まずティグラウンドでは、気になるバンカーやOBまでの距離をチェックし、風を感じて地形を見ましょう。できればコース全体の地図を見ながら基本の風とそのホールの風の癖を見極めておきたいところです。
2、セカンド地点
次にセカンド地点では、落とし所やラフの深さなどを調べます。
ティグラウンドからでは見えないようなライの悪い場所などを調べておきます。ミスした場合も想定して、フェアウェイの広い場所などもチェックしておきます。
ドッグレッグしているホールなどでは、メモに書いてあるスプリンクラーの場所がわかりにくいことがあるので、その場所も確認しておきます。
グリーン上は特に念入りに。
グリーン上は特に念入りに。
3、グリーン周辺
グリーンではその形状を調べ、試合の時のピンポジションを想定しながら落とし所と逃げ場所をチェックします。グリーンが外に向かって下っているところや、コブの位置などはしっかりと把握し、その周辺のラフの深さやライの良し悪しを見て、ピンまで打って良いのか、手前に置いておいたほうが良いのか、わかるようにしておきます。
打ち上げのホールなどでグリーン面が見えない場合、選手は特にその情報を必要とします。選手も練習ラウンドでグリーンは見ているので、そのグリーンのどこにあるのかイメージしやすい形で伝えられるようにしましょう。
4、その他
ティグラウンドで調べた風は、グリーンまで感じておきます。
ちょっとでも違う風を感じたら、基本の風と併せながらなぜその風を感じるのかを考えます。風も生き物であることは選手も知っています。風を100パーセント間違わないということはほぼ無理。基本の風以外の風が吹く可能性が高い場所は、選択肢に影響があるようならその情報も選手に伝えましょう。
おそらく初めてのコースチェックではメモに隙間がなくなってしまいそうなほどに書き込んでしまうか、それともほぼ何も書き込めないかのどちらかになると思います。
しかしキャディをしていくうちに、選手によっての必要な情報というのがわかってきて、調べる必要がある場所が判別できるようになります。
まずはコースを歩くこと。そこから始まるのです。
 
次回更新予定:2009年1月19日

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