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プロキャディ 小田美奈コラム
毎週月曜日更新

第137回 水分補給

2009.6.15

暑い日に欠かせないものと言えば、「水分」ではないでしょうか。
日差しの下でペットボトルに入った飲み物を口に含んでいる姿は、ゴルフに限らずあらゆる場面で目にすることができます。
数年前までは「熱射病」のほうが身近でしたが、最近は「熱中症」の怖さを語られることが多くなりました。
そして、「熱中症で○人の方が倒れた」といったニュースを聞くたびに、こまめに水分補給をしましょうといった言葉が必ずついてきますね。
今回はそんな水分補給について書きたいと思います。
ラウンド中の水分補給には実はいくつかの意味があります。
まず言葉通りに熱によって奪われた体内の水分を補給するということ。
その場合には、「冷たいものを飲むと、その後に疲れやすい。」「水分と一緒に塩分も摂取したほうが良い。」といった様々な情報を取り入れて、選手とキャディが自分に適した形での補給の仕方をします。
スポーツドリンクを好む選手、水を好む選手、お茶を好む選手とそれは選手によって違い、時にはキャディバッグの中に数種類の飲み物が入れられている場合もあります。
試合中は大会運営サイドで飲み物を用意してくれることが多く、その大会の協賛会社の製品が、選手とキャディに提供されます。
その会社によっては水しかないという場合もあり、そういった時には選手自身で準備することとなります。
飲料を扱う会社と契約している選手には、毎週の開催コースに1週間分の飲料が届けられることも多いです。
練習ラウンドのハーフターンでペットボトルを補充する大江プロキャディ。
練習ラウンドのハーフターンでペットボトルを補充する
大江プロキャディ

水分補給の意味の2つ目は、集中力の維持です。
暑い日というのは、それだけで集中力が低下しがちですね。頭がぼんやりとしてしまう前に、何かを口にすることでそれを防ぎます。
そういった時には疲れやすさはあまり考えずに、冷たいものを口にすることが効果的です。もちろんそれを一気に大量摂取することは良くないと思いますが、気持ちを前に向けるための手段として必要なことです。
水分補給のほかにも、冷たく濡れたタオルで顔や首を拭くといったことも選手に促すようにしています。冷たいペットボトルを額に当てるなんてことも良いのではないでしょうか。

そして最後は、間を作るということ。
緊張感の漂う中や悪天候時のラウンドは、気づくとプレーが速くなってしまいがちです。
そこで、次のショット地点について早々にクラブを抜くのではなく、その都度ある一定の間をおくことでプレーのリズムが速くなるのを防ぐのです。
そのために、まずペットボトルを選手に差し出します。選手はほぼ無意識にそれを受け取り、一口飲むか飲まないかの程度を口にします。
その時の選手の目を見ればわかりますが、それが集中の妨げになっている様子は微塵もありません。
ペットボトルで何かを飲むという動作は、体にとって全く違和感の無い当たり前のことなのでしょう。それを利用しない手はありません。
一定の間を置くために、最も有効的な手段が水分補給なのです。

年々暑さを増している気がします。
ぜひこまめな水分補給を心がけ、暑い日のラウンドも楽しんでください!
 
次回更新予定:2009年6月22日

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