無題ドキュメント
Home > コラム一覧 > 小田 美奈のコラム
プロキャディ 小田美奈コラム
毎週月曜日更新

第142回 バンカーの均し方

2009.7.20

皆さん、バンカー内でショットを打ち終えた後はどうしていますか?
セルフでのプレーが増えてきている昨今、今まではキャディさんにお任せできたことも自分でやらなければならないようになってきています。
バンカーを終えた後にバンカーレーキを使って砂を平らに均すことは当然として、その均し方や使い終えた後のレーキをどこにどのように置くかを考えたことはあるでしょうか?
プライベートでラウンドしているとよく目にするのは、レーキをかけたことはわかるのですが、レーキの歯の跡であるギザギザのラインが砂に入ったままになってしまっているバンカーです。
これはトーナメントでは最悪とされる均し方で、そういった状況が発見されれば次の日には掲示板等の張り紙や、スタート前に口頭で全キャディに対しバンカー均しについての注意がなされることになります。
バンカーを均すというのはできる限りボールが入る前の状況に近付けるということで、ボールがバウンドした跡も、転がった跡も全て綺麗にしなければなりません。そのためには、レーキの歯のついていない平らな部分で仕上げを施す必要があります。
しかしそこまでは完璧にできても、レーキを手前に引くような形で均してしまう方もいます。そうしてしまうと砂がレーキを持ち上げたところで盛り上がったままになってしまうので、これもNG。レーキは自分から離すような形で砂を向こうに放るようにすると綺麗に均すことができます。
レーキによっても、バンカーの砂質によっても、均しやすいものと均しにくいものがあります。
レーキによっても、バンカーの砂質によっても、均しやすいものと均しにくいものがあります。

難しいのは雨の日です。砂が固まりやすく、どうしても跡が残りがちです。それでもやはり綺麗に均さなければなりません。
ご想像の通り、当然時間はかかります。
しかし、それを咎める選手はだれ一人いませんし、どんなに選手から遅れてしまったとしても走れば追いつけるものです。
グリーン周りのバンカーも同様です。どうしても選手がラインを一緒によんでほしがった場合や、ピンを持たなければならいような状況で、バンカー均しが後回しになってしまった時は、ホールアウトした後に次のホールのティショットで使うクラブを渡して、後続組を待たせるような形で均すこともあります。
たかがバンカー均しと思うなかれ。均し方によっては、そこに入ってしまったが故にチャンスがピンチになってしまうこともあるのです。

レーキの置き方は、コースによってはレーキの一部がバンカーにかかる形でバンカーの縁に対して直角に置くというコースがあるようですが、トーナメントでは基本的にバンカーの縁に対して平行に置きます。
置く場所はボールが入ってくるであろうと思われる場所を避ける形で、できればバンカーのコース側ではない外側に置くようにします。
大きいバンカーであると、わざわざなんでそんな遠くまで取りに行かなければならないのか、または置きに行かなければならないかと思ってしまいがちですが、レーキによってボールが本来到達するはずの場所にいかないといった状況ができてしまうことをできる限り避けなければなりません。
取りに行くのも置きに行くのも、タイミングを見て時には走ればそれほど時間のかかることではありません。

バンカー均しはキャディの基本中の基本でありながら、状況判断を必要とされる難しい作業なのかもしれません。
海外の試合のように、ボランティアさんがバンカーを均す係として箒を持ってついてきてくれたら本当にありがたいのですけどね。

 
次回更新予定:2009年7月27日

第141回 林からの脱出 2009.07.13
第140回 シャッター音から始まるドラマ 2009.07.06
第139回 会場の変貌 2009.06.29
第138回 トーナメント中の駐車場 2009.06.22
第137回 水分補給 2009.06.15
コラムTOPへ バックナンバーを見る


go to top