Home > コラム一覧 > 小田 美奈のコラム
プロキャディ 小田美奈コラム
毎週月曜日更新

第162回 2009年シーズンを振り返って

2009.12.7

今年のトーナメントは全ての日程を終了し、プロゴルフ界もHITACHI3ツアーズチャンピオンシップを残すのみとなりました。
数多くのご声援、ありがとうございました。
男子、女子共に若い世代の熾烈な賞金王、賞金女王争いとなり、近年の中で最も白熱した1年となりました。
テレビ中継をご覧になってもわかるように、多くのギャラリーの方がコースに足を運んでくださり、大会がより一層盛り上がったものになりました。
しかし、そういったギャラリー数の増加に付随するかのように必ず持ち上がる問題があります。それは、ギャラリーのマナーの問題です。
今年もJGTOのホームページで観戦マナーの協力を訴えるほどに深刻な問題となりました。
第51回でも書きましたが、携帯カメラのシャッター音や足音などは思っているよりもロープ内に響くものです。そういったギャラリーが発する音に、集中力を切らされてしまう選手は少なくありません。そうして集中できなくなってしまうことは自分の弱さであり、ギャラリーのせいにはしたくないと思うからこそ、余計にストレスを溜めてしまい、プレーに影響が出ることもあります。
そして最も残念だったのは、問題にもなりましたが、ある特定の選手を応援するギャラリーが、対抗する選手のミスプレーに対して拍手をするという場面が見られたことです。
これは本当に悲しいことです。拍手をされた選手もそうですが、応援されている選手にとってもひどく心苦しい出来事であったに違いありません。
若さ溢れる選手達が駆け抜けていったような、あっという間の1年間でした。
若さ溢れる選手達が駆け抜けていったような、あっという間の1年間でした。
ところが、こういった問題が増えているということは、言いかえればマナーを知らないような、ゴルフに興味が無かった方々の観戦が増えているということでもあります。
実際、受付でギャラリーの手荷物検査をしていた友人に話を聞いたところ、写真撮影が禁止と言うことを知らない人が多いとのことでした。
ギャラリーの方々だって、選手のプレーを邪魔したいわけではないし、意図的に気分の悪い思いをさせようとしているわけではないのです。
ギャラリー数が増えることはツアーにとっても選手にとっても本当に喜ばしいことです。
だからこそ、まずは観戦のマナーを知ってもらうことから始めなければなりません。
ギャラリーの方々に楽しく観戦してもらうためにも、選手に気持ち良くプレーしてもらうためにも、様々な場所でギャラリーのマナーについて訴えていくことで、より素晴らしいトーナメントになっていくに違いありません。
今年は再び活気を得たトーナメントが、1歩進んでギャラリーと選手の距離を縮めていくための問題点が浮き彫りになった1年でした。
しかし、この問題の解決策を様々な方向から見出していくことで、これから先のトーナメントがますます盛り上がりを見せるのは間違いありません。
 
次回更新予定:2009年12月14日

第161回 戦いの流れ 2009.11.30
第160回 選手の中の流れを知る 2009.11.23
第159回 「流れ」とは 2009.11.16
第158回 ボールにも個性 2009.11.09
第157回 シード権争い 2009.11.02
コラムTOPへ バックナンバーを見る


go to top