今年も全トーナメントが終了して、キャディにとってのゴルフシーズンがやってきました。
キャディも自分自身のゴルフとなると、トーナメント中とはちょっと違った一面を見せたりします。 試合中は確実に刻んで攻めていくようなマネジメントを心がけているキャディが、自分のゴルフでは常にドライバーを振るような攻めるゴルフを展開する人だったり、常に冷静沈着に状況判断するキャディが、すぐにイライラする人だったり、良い感じの適当さが売りのキャディが、朝にはしっかり練習してからラウンドに出る人だったり…。 キャディという仕事の性質上、自然と気を使うような人がとても多いのですが、プライベートになった途端に仕事の反動のようにマイペースになる人もいます。
キャディの時は選手に合わせたキャラクターを作り上げてしまうことが多いものです。 無理をしても攻めていきたがるタイプの選手には、冷静に固めのマネジメントを勧められるようなキャラクターが求められますし、逆に大事な場面で臆してしまう選手には背中を押してあげられるようなキャラクターが求められます。 だからといって必ずしも逆なタイプばかりでいることも良いこととは思いません。 あくまでも選手の心理状態や状況に応じて変えていけることが必要とされます。
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キャディもゴルフシーズン到来です。 |
しかし、コロコロと印象が変わるとその人の性格は見えにくくなってしまいます。 選手とキャディは、人と人。 お互いに信頼し合えるような関係であるためには、本当の自分は変わらないものでなければなりません。 状況に応じたキャラクターを演じながらも、本当の自分を前に出していけるようなキャディをするためには、多くの経験とそこから得た知識と揺るぎの無い自信が必要になります。 それらを持ち合わせたとしても、目上の人と目下の人でどうしても態度が違ってくるのと同じように、選手に対しても全ての選手に同じように接することは難しいですし、必ずしもそれが賢いことだとは思いません。
自分のキャラクターを消さずに選手それぞれに合わせた言動ができること。 それができるキャディは、自然と一緒にラウンドしている他の選手に対しても影響力を持つことがあります。もしそうであった場合、組全体のムードメーカーになることもありますし、組全体の流れを左右する力を持つこともあるかもしれません。
キャディ同士でも、「あのキャディさんとはまわりやすい。」といった相性のようなものもありますが、案外、同一人物を指していることが多いのです。 全体の空気を作ってくれるキャディが一人いてくれると、他のキャディにもなんとなく余裕のようなものが見えたりするものです。
ところがそんなキャディが自分のゴルフとなったら…。 ゴルフと車の運転は、その人の本当の性格を写し出す鏡なのか、それともその時だけ生まれるその人の性格の一部なのか。 不思議なものです。 |