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プロキャディ 小田美奈コラム
毎週月曜日更新

第179回 スコアカード

2010.4.5

ラウンドを終えた後、そのスコアカードはどうしているでしょうか?
良い結果だった時は大事に持って帰る人が多いと思いますが、そうでなかった場合は?
持って帰ったスコアカードは「あのホールのあのミスがもったいなかった」とか「あのバーディは完璧だった」といったように、その日のラウンドを振り返るために使われることがほとんどだと思いますが、全ショットを憶えているからかスコアに興味が無いからか、ゴルフ場で破棄してしまう人もいます。はじめからスコアカードを持たないという人もいますし、逆に今までのスコアカードは全て保管しているという人もいるかもしれません。

トーナメントの場合、アマチュア競技においても同様ですが、選手が持っているスコアカードは自分のスコアを記載するためのものではありません。
ゴルフ場でよく見るような同伴の競技者全員のスコアを記載できるように18(ホール)×4(人)のマスが書かれたスコアカードではなく、18×1のスコアカードになります。これは同伴競技者のスコアを付けるためのもので、自分のスコアを付ける人を「マーカー」と呼びます。
スタート前のティーグラウンドで、その日誰のスコアをつけるのか、そして誰が自分のマーカーかの確認が行われます。18ホールを終えると、アテストルームと呼ばれる場所でマーカーが署名したスコアカードをプレーヤー自身も間違いがないか確認し、OKであれば署名(サイン)して提出し、競技終了となります。
テレビで優勝を決めた選手が歩いて小屋などに入っていく姿を見たことがあれば、そこがアテストルームで、そこで間違いなくスコアカードが受理されれば優勝が確定ということになります。

ギャラリースタンドの左脇にある建物がアテスト小屋になります。大会によって場所が違います。
ギャラリースタンドの左脇にある建物がアテスト小屋になります。
大会によって場所が違います。
ところが、このスコアカードの記入に関するトラブルで失格になる選手が後を絶ちません。 最も多いのが、マーカーの記入ミスによる過少申告です。
勘違いした。ホールを間違えた。自分のスコアを書いてしまった。…等、記入ミスの理由は様々。
スコアの記入は、1ホールを終える毎に記入する選手ばかりではなく、3ホール毎にまとめて書く選手や、ハーフ毎という選手もいますが、それには選手それぞれのタイミングや考えがあって然るべきこと。自分のプレーに集中するあまり起きてしまう記入ミスはある程度仕方が無いことだと思います。
責任は当然、スコアを確認してサインするはずの選手本人になります。
その他にも、サインの記入ミスで上位選手が失格になったということもありました。
自分のマーカーがラウンド途中で棄権してしまいマーカー交代となったのですが、その場合には、両方のマーカーのサインが必要になります。ところが、既に最初のマーカーのサインがしてあったので勘違いしてそのまま提出してしまったというものでした。勘違いとはいえ、上位選手が失格になってしまったというとても珍しい例でした。
誰しもアテストのミスで失格にはなりたくないものです。
スコアカードを提出する時、選手は少なからず緊張感を味わうのかもしれません。
それでも、アテストルームからクラブハウスに向かうのではなく、優勝インタビューをするためにグリーンに戻るのなら、アテストルームを出るときの気持ちは最高に晴れやかであるに違いありません。
 
次回更新予定:2010年4月12日

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