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プロキャディ 小田美奈コラム
毎週月曜日更新

第193回 Twitter と トーナメント

2010.7.12

多くの情報が世界各所から発信されている世の中、日本でも自身のブログやホームページを持つプロゴルファーが増えました。
そのお陰もあって、トーナメント関連の情報が男女各ツアーの公式ホームページだけでなく、もっと選手サイドに近い形で得られるようになりました。
そんな中、鳩山元首相によって日本中に知れ渡ることとなったTwitterにおいても、少しずつ動きが見られるようになってきました。

Twitterでは「ツイート」(「つぶやき」の意)と呼ばれる140文字以内の言葉で、「今なにをしているのか」といったようなことを特に束縛なく投稿するもので、ブログよりは手軽な感覚で発信することができるものです。
Twitterを利用している選手は、その日のラウンドの内容や反省点についてツイートするだけでなく、夕食の内容やホテルの様子など、プライベートな部分にも多く触れています。時には選手同士、関係者同士で会話されることもあり、リアルタイムでその会話を見ることもできます。
そのため、普段はロープ越しにしか見られない選手を、少し身近に感じられます。

自宅や会社で現場の風を感じられる時代もくるのでしょうか。
自宅や会社で現場の風を感じられる時代もくるのでしょうか。

また、TwitterとYou Tubeを使ったレッスンや、ツアーの配信などを始める会社や個人の方もいて、新しいツアーの楽しみ方として着々とその能力を発揮し始めています。
そうした状況を見ていると、Twitterに関連した様々な機能には今までのテレビ至上主義に陥りがちなトーナメントに革命すら起こりかねないほどの新しい可能性が秘められていると感じます。
そして、既にその可能性について語り、動きだしている関係者もいます。
私がこうした動きに気がついたのも、Twitter上でのやりとりを見ていたからです。

テレビの放映時間に合わせたスタート時間。テレビが始まる頃には既に結果がインターネット上で配信されてしまっているという虚しさ。野球や相撲が生中継であることが当然ですが、残念ながらゴルフは録画であることがほとんどです。
緊張感や大歓声が生きたものとして伝わるには、やはり生中継でなければならないと思います。
しかし、トーナメントの現状を考えるとそれは難しいと言われてきました。

ところがTwitterを覗いていると、現地のギャラリーから生の声として現在の成績や状況などを知ることができる時があります。
テレビを心待ちにしている方の間では、そういった結果が先にわかってしまうことを嫌って、そうしたツイートに対して嫌悪感を顕わにする人もいます。
しかし、そのツイートに現場の状況が見られる画像や動画が盛り込まれていて、それが頻繁に更新されるものであれば、新たなトーナメントの楽しみ方として考えることもできるのではないでしょうか。
当然、現状ではコース内の撮影が禁止なので、一般の方による発信は不可能ですが、関係者からそうした動きが出てくれば、それは大きな力となりうると思います。

既にU.S. PGAやアジアンツアー等ではそれぞれのTwitterのアカウントを持ち、ツアーの実況ライブを行っています。
テレビ局が主導権を握っているような現在の状況から、ツアー側にそれを引き戻すためには?そして、トーナメントの魅力をより一層多くの人に伝えていくためには?
選手一人一人が積極的に発信していくことももちろんですが、そうしたツアー全体による発信もますます大事になってくる時代になってきたようです。

 
次回更新予定:2010年7月19日

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