Home > コラム一覧 > 小田 美奈のコラム
プロキャディ 小田美奈コラム
毎週月曜日更新

第199回 キャディとは

2010.8.23

例えば、「試合会場のゴルフ場に勤めているハウスキャディをつけないで、なぜプロキャディを雇うのか」という疑問があります。
そのゴルフ場を知り尽くしているハウスキャディさんの方が確かな情報をくれるだろうと感じるわけです。実際に、トーナメントを初めて開催するコースの場合、プロキャディはハウスキャディさんから様々な情報を引き出そうとします。その時点でのコースに対する情報量は、当然ハウスキャディさんの方が多く持っています。それでもプロがプロキャディを選ぶ理由は、コースを知っていること以上に必要とする「何か」があるからです。

目標物までの距離は、コースメモがあればほぼ間違いなく計算できるし、プロのショットであれば必要なコースの情報はそれほど多くありません。その「何か」とは、コースに対する情報以外の部分で選手が求めるものであり、そしてそれは選手それぞれです。話しやすさであったり、安心感であったり、尊敬であったり…、選手にとってプラスになるものがあると感じるからこそプロキャディが選ばれているのでしょう。
選手がキャディに対して求めているものは必ずしも選手一人に一つではなく、状況によっても変わってくるものなので、常にアンテナを張り巡らせていなければなりませんが、その何かに答えていきながら選手にとって集中できる良い環境を作り出していくことが大事であり、最も求められていることなのではないでしょうか。

プロキャディは個性の強い人ばかり。チームダンディハウスの3人。(要は、髭が濃い。)
プロキャディは個性の強い人ばかり。チームダンディハウスの3人。(要は、髭が濃い。)

しかし、その何かに必ず答えられるかと言うと、そうではありません。
プロとキャディでも、人間同士の関わり合い。どうしても、「相性」という問題が生じます。トーナメントに関わっていくうちに、それぞれに適した形で選手とキャディの人間関係が出来上がっていきます。ずっと同じキャディをつけている選手もいますが、数年ごとに替える人もいるし、試合ごとに違う人もいます。それぞれに求めることが違うからこそ様々な雇用形態があり、それに合わせるかのように個性溢れるプロキャディ達がいるのだと思います。

ハウスキャディもプロキャディも、クラブハウスに戻ってくる時の想いは一緒?
ハウスキャディもプロキャディも、クラブハウスに戻ってくる時の想いは一緒?

さて、「キャディ」と一概に言っても、様々な種類のキャディがいます。
プロのトーナメントを主戦場とするプロキャディや学生キャディ。ゴルフ場に勤めるハウスキャディさん。アルバイトのキャディもいますし、最近では派遣のキャディも少なくありません。
キャディバックを運ぶという意味では同一の業務ですが、プロ一人が相手というプロキャディと、お客様四人を相手するハウスキャディとでは全く違う職種のように感じられます。しかし、セルフプレーにおされつつある昨今、キャディをつけるということに対してプレーの進行そのものに関わるプラスはもちろん、その他の「何か」が必要とされてきているのかもしれません。その「何か」とは?
相手がプロであろうと、一般のゴルファーであろうと、キャディに対して求めるものはそれほど大きい差があるようには思いません。

では、皆さんにとってキャディとは?
結局その答えは人それぞれであり、今回の題に対して何か答えを出さなければならないとすれば、残念ながら「わからない」という言葉が一番適当なのかもしれません。

 
次回更新予定:2010年8月30日

第198回 キャディという仕事の大変さ 2010.08.16
第197回 キャディの悩み 2010.08.09
第196回 優勝!その後は… 2010.08.02
第195回 キャディと差別 2010.07.26
第194回 ツナギの着用について 2010.07.19
コラムTOPへ バックナンバーを見る


go to top