ストレッチなどを終えて、選手がクラブハウスを出て行くのは早い選手でスタートの1時間半前。遅い選手で30分前です。 練習する場所は普通にクラブを振るためのドライビングレンジとアプローチ練習場、パッティンググリーンの3つがあり、どの練習から始めるかは選手によって様々で、一番多いパターンはショット→アプローチ→パッティングの順での練習です。 ショットの前にパッティングをして、最後にまたパッティングという選手も少なくありません。
ドライビングレンジは混み合うことが多く、男子ツアーの場合はキャディが選手より先にクラブハウスを出て場所取りをします。ボールはレンジの入り口に置いてあり、ティも用意されていて、キャディはそれらを全て用意しておきます。 どの選手が早く終わりそうかを他のキャディに聞きながら、待つことになります。 女子の場合は、練習が終わりそうな選手に「次、お願いします。」というように声をかけることが普通です。 多くの選手に見られるドライビングレンジでの練習パターンは、前回紹介したようなバットを振ったり、重いクラブを振ったり、クラブを2本持って振ったりして、まずは体をゆっくりと回すことから始まります。やわらかいシャフトの練習用クラブを振る人もいます。 そして、短いクラブから打ち始めます。
徐々に長いクラブにしていって、最後にまた短いクラブで30ヤードや50ヤードぐらいを打ちます。 アメリカ女子ツアーでは、ボールが飛び交う中を、30ヤード地点、40ヤード地点、50ヤード地点…といったように、10ヤードごとに目印(ヘッドカバーであることが多いです。)を置きに行くキャディの姿をよく見かけます。(日本の男子ツアーもそうですが、キャディがいたらそちらには打たないということが暗黙の了解になっているようです。それでも、置きに行くキャディからしたら緊張感があります。) 時には、アプローチウェッジだけ持って練習場に行き、そのクラブだけでアプローチをしたり、ティーアップして打ったり、スライスやフックをかけたりという練習をする選手もいます。
アプローチ練習場では、フェアウェイから、ラフから、バンカーからといったような様々な状況に慣らしていきます。長いコースや、ラフのきついコースの時は、特に重点的に練習する選手が多いようです。ボランティアさんやアルバイトの人がボール拾いをしてくれますが、キャディも拾いに行きます。
パッティング練習は、距離の長いパット、真っ直ぐのライン、スライスライン、フックラインというように練習していきます。カップの数が少なくて、選手が集中してしまう場合には、ティを刺すなどして目標を多くします。 海外の選手の中には、真っ直ぐのラインを探してペイントし、真っ直ぐのラインの練習をする選手がいます。そのペイントされたラインを他の選手が利用している姿を見ることもできます。
雨の日、ドライビングレンジに行かない選手はもちろん増えますが、パッティングだけは、しない選手はいません。キャディが傘をさしてグリーン上にいる姿を見かけた方もいると思います。
雨でもないのに、試合前パター以外の練習をしない選手もいます。 選手にとってスタート前の練習は、いいプレーをするため、最高のプレーを見てもらうため、そして集中力を高めていくためのものです。 朝クラブハウスを出たときからその日一日の戦いは始まるのです。
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